減塩食の工夫

塩分(えんぶん)の摂り(とり)過ぎ(すぎ)が健康(けんこう)に被害(ひがい)を及ぼす(およぼす)ことは、よく知ら(しら)れていることでしょう。しかし「病気(びょうき)をよせつけないからだを作ろ(つくろ)う!」と予防(よぼう)医学(いがく)に固執(こしゅう)し過ぎ(すぎ)て、まったく味気ない(あじけない)食事(しょくじ)ばかりしていては、心(こころ)の元気(げんき)に必要(ひつよう)な楽しみ(たのしみ)も減少(げんしょう)してしまいます。特に(とくに)高血圧(こうけつあつ)の人(ひと)の食事療法(しょくじりょうほう)は、基本的(きほんてき)に一生涯(いっしょうがい)続け(つづけ)ていくことになりますので、飽き(あき)ない工夫(くふう)が必要(ひつよう)です。和食(わしょく)は低脂肪(ていしぼう)で食物(しょくもつ)繊維(せんい)が多く(おおく)、からだによいイメージがありますが(実際(じっさい)、肥満(ひまん)対策(たいさく)にはおすすめです)、味付け(あじつけ)によって塩分(えんぶん)が多く(おおく)なりがちなメニューが多い(おおい)のも事実(じじつ)です。味噌汁(みそしる)やお漬物(つけもの)を毎日(まいにち)、毎食(まいしょく)摂っ(とっ)ていては、あっという間(あっというま)に塩分(えんぶん)過多(かた)になってしまいます。意外に(いがいに)も、脂肪(しぼう)量(りょう)さえ注意(ちゅうい)すれば洋風(ようふう)のメニューが減塩食(げんえんしょく)には向い(むい)ているのです。また、いくら減塩(げんえん)とはいえ、単純(たんじゅん)に塩分(えんぶん)を減らし(へらし)た調理(ちょうり)では味気なく(あじけなく)、おいしさを感じ(かんじ)られません。おいしく減塩(げんえん)するコツをいくつか紹介(しょうかい)します。まず、塩分(えんぶん)を控え(ひかえ)たうす味(うすあじ)でもおいしく感じ(かんじ)られるために、香り(かおり)や風味(ふうみ)を効か(きか)せるとよいでしょう。にんにくや生姜(しょうが)、しそなど、香り(かおり)の強い(つよい)ものを加え(くわえ)てみてください。カレー粉(かれーこ)や七味(しちみ)とうがらし、わさびなどの香辛料(こうしんりょう)も、うす味(うすあじ)をおいしくしてくれます。味付け(あじつけ)には、塩(しお)の代わり(かわり)に酢(す)やレモン汁(じる)などを使う(つかう)のも有効(ゆうこう)です。しょうゆの代わり(かわり)には、昆布(こんぶ)やかつおで濃い目(こいめ)のだしをとり、しょうゆと合わせ(あわせ)た自家製(じかせい)だしじょうゆを作っ(つくっ)ておくとよいでしょう。洋風(ようふう)のメニューでは、牛乳(ぎゅうにゅう)などでコクを出す(だす)と、うす味(うすあじ)のシチューなどでもおいしく感じ(かんじ)られます。高血圧(こうけつあつ)に対(たい)する予防(よぼう)医学(いがく)として、また普段(ふだん)から健康(けんこう)に気づかう(きづかう)人(ひと)の食生活(しょくせいかつ)のヒントとして、減塩食(げんえんしょく)を実践(じっせん)してほしいと思い(とおもい)ます。果てしない道

予防医学

塩分の摂り過ぎが健康に被害を及ぼすことは、よく知られていることでしょう。

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