「適度(てきど)な飲酒(いんしゅ)はからだによい」というのは、お酒(おさけ)好き(すき)な人(ひと)が予防(よぼう)医学(いがく)を口実(こうじつ)にお酒(おさけ)を飲む(のむ)ために言っ(いっ)ているのではなく、本当(ほんとう)の話(はなし)のようです。実際(じっさい)に多く(おおく)の人(ひと)が経験(けいけん)するのは、食欲(しょくよく)増進(ぞうしん)の効果(こうか)ですね。これはアルコールの刺激(しげき)により胃液(いえき)の分泌(ぶんぴつ)が盛ん(さかん)になるためです。食欲(しょくよく)がわく、というのは元気(げんき)な証拠(しょうこ)ですが、肥満(ひまん)や糖尿病(とうにょうびょう)などを患っ(わずらっ)ている人(ひと)には逆効果(ぎゃくこうか)と言え(といえ)そうです。また、お酒(おさけ)を飲ん(のん)でほろ酔い(ほろよい)気分(きぶん)になると、日ごろ(ひごろ)の精神的(せいしんてき)な緊張(きんちょう)がほぐれ、リラックスしてきます。このように日々(ひび)のストレスから開放(かいほう)される効果(こうか)も期待(きたい)できます。飲酒(いんしゅ)により血液中(けつえきちゅう)の善玉(ぜんだま)のＨＤＬコレステロールを増やす(ふやす)効果(こうか)がみられることも、よく知ら(しら)れています。「適度(てきど)な量(りょう)」というのは、１日(にち)に平均(へいきん)純(じゅん)アルコールで２０ｇ程度(ていど)の量(りょう)のことで、ビールなら中(ちゅう)ビン１本(１ぽん)、日本酒(にほんしゅ)なら１合(ごう)、ワインならグラスに２杯(はい)、ウイスキーはダブルで１杯(はい)くらいが目安(めやす)となります。この量(りょう)に自制(じせい)が難しい(むずかしい)という人は(ひとは)、思い切って(おもいきって)禁酒(きんしゅ)をするほうが、からだによいでしょう。なぜなら、大量(たいりょう)の飲酒(いんしゅ)は脳梗塞(のうこうそく)の引き金(ひきがね)となり得る(なりえる)からです。お酒(おさけ)には利尿(りにょう)作用(さよう)があるため、脱水症(だっすいしょう)状(じょう)を起こし(おこし)やすく、血液(けつえき)の粘性(ねんせい)が増し(まし)、血栓(けっせん)ができやすくなってしまいます。病気(びょうき)を予防(よぼう)し、健康(けんこう)のために飲む(のむ)のであれば、少量(しょうりょう)にとどめましょう。「適量(てきりょう)の飲酒(いんしゅ)は健康(けんこう)にプラスである」というのは、もともと過剰(かじょう)に飲酒(いんしゅ)していた人(ひと)に対(たい)して予防(よぼう)医学(いがく)の観点(かんてん)から「適量(てきりょう)の飲酒(いんしゅ)」を勧める(すすめる)ものであって、今まで(いままで)お酒(おさけ)を飲ま(のま)なかった人(ひと)に飲酒(いんしゅ)を勧める(すすめる)ものではないようですね。
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